万三郎岳と万二郎岳(2009.05.14)
私の花暦は今週から白やしおになっているのですが、奥多摩ではだいぶ不作の様子。近隣山域を含めて今年は見送りと決めました。ツツジは足並み揃えることが多いので、石楠花も期待薄か、と寂しい気分で調べていると、今年の天城石楠花は良いらしい、おまけにもう咲いてる、との知らせに出合いました。
天城の山は馴染みがないのですが、そういうことなら今年は絶好の機会なわけで、14日木曜日は万三郎岳と万二郎岳を歩いてきました。ごく普通の行程で、天城高原ゴルフ場の駐車場から反時計まわりに周回してきました。
毎年見に来ている伊東の方によれば、 石楠花がこんなに咲くのは4,5年ぶり、とのこと。 多くの木が目一杯の花房で樹冠を飾っていました。そして、実際に目にして判りました、天城の石楠花は一味違う。
(補足:前回の豊作は2005年と後に判りました。)
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丘陵のような山々を走る伊豆スカイライン、新緑の中にヤマツツジやミズキが点々と咲き、何より植林がほとんどない。登り口への道中で、早くも伊豆の山に好感を持ってしまう。でも、車道がなければここが既に楽しい登山道になるのだが、とも考える。
天城高原ゴルフ場にはハイカー専用駐車場があり、既に50台ほどとまっている。身支度をして道路の反対側から登山道に入ると、右側が植林されている。登り口までの道で期待を膨らませていただけに落胆は大きい。
それでも、左側の自然林にはヒメシャラが多く、林床にはフッキソウが生え、南の山らしい森に次第に引き込まれていく。考えてみれば、いつもの感覚なら登り口で半分自然林は良い方で、伊豆スカイライン周辺が良すぎた、ということで納得する。
右側も自然林に変わり、やがて左上方に待望のアマギシャクナゲがポツリポツリと姿を現す。そして山襞をひとつ越えると、ややまばらながら道の両側が群落になる。どの木も花着きが良く、これ以上は考えられないほど花をつけた木も多い。
石楠花を眺めていて、妙にしっとりと柔らかく感じるのだが、これは何だろう?
実は山で石楠花の花に合うのは3年ぶり。直ぐには気がつかなかったが、いつも逢っているアズマシャクナゲは標高2000m前後に多く、針葉樹の森に住んでいる。でもここの喬木は新緑まぶしいピカピカの広葉樹ばかりで、この差は大きい。
違いがはっきりわかると一段と立ち去りがたく、改めて眺めていると既視感を覚える・・・ツガの森に咲く赤やしお。そうか、 新緑に包まれた軽やかな石楠花はあれと対になるんだ。
桃色から白まで、アマギシャクナゲは色幅が広い。白にも二種類、わずかに紅をさす蕾から白く咲く花と、はじめから純白で緑を帯びた花がある。こんなことまで判るのはたくさん咲いていればこそ、今日ここに来て本当に良かった。
少し登りになって涸沢分岐点、万三郎岳へのかつての道が分かれるが、ここは石楠花保護のため立ち入り禁止になっている。石楠花はこの道が一番多いのだろうが、そういう理由ならばおとなしく従うことにして直進する。
新しい道はその先、長椅子の脇から左へ緩やかに登っていく。この斜面には大小さまざまな喬木が混じり、下生えにはヒョロリと伸びた木が並んで、実に健全な森と写る。
尾根が少し痩せると、アマギシャクナゲとトウゴクミツバツツジが点在する。左側、旧道沿いの石楠花は見えないかと、眺め降ろしてみるが、これは無理。時計まわりの大人数グループとここで何組かすれ違い、賑やかなので先を急ぐ。
道は一回り大きな尾根に登りつき、そのまま南東に向う。道沿いは若いブナ、少し離れて左側に石楠花が点在する豪華な道だ。新緑と花を楽しみつつ歩いていくと八丁池を示す道標があり、その先で南側が開ける。ここまで抜きつ抜かれつ、同じ道を歩いてきた伊東のお二人が休んでいて、昼食にするとのことなので、私も混じって伊豆の山について教えてもらう。
さして広くもない万三郎岳の山頂は混雑しているので素通り。少し下るとまた石楠花の群落が現れる。標高が少し上がったので蕾の木もあるが、ほとんどの木は既に満開。
稜線は緩やかで概ね落ち葉に覆われているのだが、ここで気に懸かる点がひとつ。次の世代の石楠花はどこに芽生えるのか?石楠花は湿った苔の上で芽生えるようで、苔むした岩場では子供がうじゃうじゃ育っていたりする。ここは落ち葉だらけで、ざっと見回して小さな株は全くない。
林床を見ながら暫く歩いて、苔むした倒木にいくつか子供を見つけたが、絶対的に数が少ない。ここの石楠花は将来が心配だ。それともブナを含めて森全体に大きな周期があるのだろうか。
東に進むと大きなブナが増えてくる。ブナだけでも一流の森なのに、林床には引き続き石楠花が咲いていて、またしてもここで動けなくなってしまう。いや天城の山は凄い。
石楠立(はなだて)に着くと石楠花はもう終わり。変わってアセビが増えてくる。喬木もブナに替わってヒメシャラの大木が多くなる。これはこれで面白いのだが、当然ながら今の時期に花はなく、宴の後といった気分。だいぶ遅くなってしまった、万二郎岳の手前でひとしきり太平洋を眺めて駐車場へと急ぐ。
見落としていた宝石。伊豆に関するものといったら、しろばんばと伊豆の踊り子、それに天城越えくらいしか思いつかない。なんたる貧しさ。山に限らず、伊豆についてもっと知りたいと思う。
帰りは伊東に出て、海沿いを北に向う。打ち寄せる波を眺めていると、やはりここは第一に海の国だと感じる。山に植林が少ないのは、過去の制度よりも人々の関心が山より海に向いてたからではないか?
有料道路を乗り継ぐと思ったよりずっと早く家についた。また天城の山に行くことになりそうだ。
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コメント
こんばんは
万三郎岳と万二郎岳の山旅途上の石楠花すごい花付きで驚いています。
十年近く山塊を徘徊していますが、いまだ石楠花の当たり年に遭遇していません。天城山塊は
海も見え羨ましいです。アプローチが長いので、なかなか天城の山へ出向く事が出来ませんが、
機会を見つけて何れ見参しましょうか?
投稿: オッサン | 2009年5月17日 (日曜日) 18時39分
新緑に色鮮やかな石楠花\(^o^)/
最高ですね
一層綺麗に見えますね~♪
満足気な茄子さんが
緑が眩しいです

石楠花が主役を演じてますね
私も念願の長野山の満開の石楠花に会えてたのですよぉ
何度も見損ねてたので最高でした
次はササユリの頃に行くつもり
山に有ってこそですね
ロッジに人の話に寄れば、ササユリはおろか石楠花、ドウザンツツジを持ち去る人が居ると嘆いてらっしゃいました、悲しい話ですね
投稿: kogomi | 2009年5月17日 (日曜日) 22時59分
オッサン、おはようございます。
ここは私も初めてだったのですが、とっても良かったです。
オッサンのところからはちと遠いので、花の当り年を狙ってでしょうか。
他の花もなかなか良くて、石楠花の花時をはずすとガラ空きのようです。
石楠花の開花情報はネットで見つけました。便利な時代ですね。
kogomiさん、おはようございます。
ついにお山に出かけたんですね。
石楠花、念願かなって良かったですね。写真、楽しみにしています。
笹百合も咲くんですか。私は何年も見てないです。
こっちに笹百合の咲く山はなくて、まず300kmは走らないと。
ん~、笹百合の山、私も行きたくなってきた。
投稿: 裏 茄子 | 2009年5月18日 (月曜日) 09時27分